家でできる実験

身近な物を使って家でできる化学実験を紹介したり、化学の話をするブログです。

研究室での一年間の生活~ある化学系研究室の一年間~

 これから研究室に配属されるけど不安に思っている人や研究室が

どんなところなのか知りたいと思う人は多かれ少なかれいると思います。

自分は学部4年生の一年間と大学院(修士課程)の2年間の合計3年間を

研究室で過ごしたので、その経験をもとに研究室での1年間の

生活(活動)なんかを書いていきたいと思います。

また、最後の方に研究生活の一週間と1日をザックリと書いておきます。

加えて自分が過ごしてきた研究室だけだと情報が少なかったりなどするため、

他の研究室に配属していた友人の経験も含めて書いていこうと思います。

自分が過ごしてきた研究室は恐らくゆるい部類に入ると思いますが、

世の中にはブラック企業に負けないぐらいヤバい研究室もあれば

ものすごく緩い研究室もあります。

そのため、ここで書かれている内容はあくまでも、"そういう研究室もあるよ"

という前提で読んで頂きたいです。

 

 

 

4月

 学部4年生となり卒業研究のために研究室生活がスタートが始まります。

研究室配属後、初めの2週間~1か月は練習実験を行い、研究で必要な

器具や試薬、測定機器の使い方を学びます。

練習実験が終了後、各自に研究テーマが与えられます。

ここから、それぞれのテーマに沿って実験を行う日々が始まります。

 研究室がスタートする日は研究室ごとによって違います。

授業開始日からスタートする研究室もあれば、4月1日スタートの研究室もあります。

中には3月中にスタートする研究室もあったりします。

(色々とルールが厳しい研究室だと3月スタートだったりします)

 

5月~7月

 それぞれが、目標にむけてコツコツ実験を行う日々が続きます。

同時に卒業後に就職を考えている人は研究活動をしつつ就職活動を行っています。

(その年によって就活の時期は異なります)

卒業研究では、結果を出すために実験を行うだけではありません。

先行研究など知識を深めるために、各自が当番制で自分のテーマに関連する

最新の論文を紹介したりします(論文紹介や雑誌会と呼ばれます)。

加えて、英語で書かれた研究室で取り扱う分野の専門書を区分けして担当ごとに

翻訳して発表する勉強会も行われます(輪読や輪講と呼ばれます)。

 GW(ゴールデンウィーク)はしっかりと休める研究室もあれば、GWの休みが無い

研究室もあります。特に生物に関わるような研究室は生物の世話をするために

休めなかったり、どこかの日に登校する必要があったりします。

 GWが開けると、研究室に来るのが嫌になってしまい登校しなくなってしまう

人が出てくるかもしれまん。学部1年~3年生の時と違って(基本)平日は拘束され、

規則正しい生活をするようになるため、慣れることができないことが原因だと

思います。

 

8月

 学部1~3年生は夏休みですが研究室での夏休みは平均2週間というところが

多いです。中には1か月休みという太っ腹な研究室もあれば3日あるかどうか

という研究室もあります。

(GW同様に生物が関わる研究室は休めない場合が多いと思います)。

 この時期は卒業研究発表会まで半分ということもあり、8月or9月に前期までの

進捗発表も兼ねたリクリエーション(合宿)が行われたりします。

 

9月

 卒業研究の後半戦が始まります。人によっては前期であまり結果が出ずに

悩む人がいると思います。困ったら同じ研究室のスタッフ(教員、大学院生)に

相談しましょう。たぶん大学院生の方が年も近いため相談しやすいと思います。

個人的には、ここからどう進めていくのかが挽回する重要なタイミングだと

思っています(勿論、10月から頑張って挽回した人もいるので頑張りましょう)。

 

10月~11月

 それぞれが少しずつ良い結果を出してくる時期になります。

中には運悪くなかなか良い結果が出ない人もいると思います。

良い結果が出なくて困っているのであればなるべく早めに指導教員へ相談しましょう。

ちゃんとした教員であれば真摯にアドバイスを頂いたり、最終的な目標の変更を

してくれたりします。

 卒業研究とはかけ離れますが、2月や3月に卒業旅行に行きたい人は

この時期に行く場所や泊まる宿を決めて、宿やレンタカーの予約を取った方が

良いと思います。2~3月に旅行に行く人は多いと思うので、予約が埋まってしまう前に

宿などの予約を確保した方が良いです。

 

12月

 だんだん卒業研究発表会が近付いているということもあり、

不足しているデータを取るための実験を行ったりします。

同時に卒業発表会へ向けて少し発表資料を作成し始めます。

研究室によっては後期の進捗・結果のまとめを発表する場があったりします。

(進捗報告会の後に、忘年会という研究室が案外多いかと思います)

 年末年始はさすがにしっかりと休みを取るという研究室が多いです。

(生物が関わる研究室は生物の世話のために登校するところもあります)

 

1月

 基本的に、卒業発表会へ向けて資料の作成と発表の練習を行います。

同時に一年間の成果をまとめた卒業論文の作成も進める必要があります。

(卒業研究発表会の後に卒業論文を作成する研究室もあります)

人によってはデータが一部不足しているため、大急ぎで実験を行ったりします。

 

2月

 1月下旬~2月上旬に一年間の卒業研究の成果を学科の先生方の前で発表します。

それぞれの発表の後に質疑応答の時間が設けられますが、たまに他の研究室の先生や

大学院生からイジワルな質問をされることもあります。

 発表後、何回か教員の直しを受けながら卒業論文を完成させます。

卒業後に就職をする人は、持ち込んだ自分の私物の持ち帰りやサンプルの整理など

片づけを終えれば約一年間の研究室生活を終えて春休みに入ります。

厳しい研究室だと3月もしくは入社前日ぐらいまで来させる研究室もあります。

 

(2月中旬~)3月

 就職する人は、社会人になるまでの最後の時間をそれぞれ謳歌すると思います。

また、多くの人たちは友人や恋人たちと卒業旅行に行くと思います。

勿論、大学院(内部&外部)に進学する人たちの中にも、就職する人たちとの

思い出作りのために卒業旅行に行ったりもしています。

 就職する人たちが春休みを満喫している中、大学院へ進学する人は

卒業論文終了後も研究活動を続けています。

また、人によっては3月中に行われる日本化学会の年会で発表するために

補足データ集めや発表資料の作成と練習を行います。

 

研究室生活の一日(コアタイム10:00~18:00の場合)

あくまでも個人な意見ですが、遅い時間に実験は事故に繋がりやすくなります。

実験を行う時間を計画を立てて、終わったら早く帰って休みましょう。

7:30~8:30 起床、朝食、登校準備

8:30~9:30 研究室へ移動

9:30~12:00 実験やデータ解析、論文調査、ゼミ(論文紹介、輪読、進捗報告)

※自分は測定機器の順番待ちをしたくないため30早く登校しています

12:00~13:00 昼食・昼休み

13:00~17:30 実験やデータ解析、論文調査、ゼミ(論文紹介、輪読、進捗報告)

17:30~18:00 データの整理、片付け

※たまに、1~2時間残って実験をする日もあります

18:00~19:00 帰宅

19:00~24:00 夕食や入浴など色々(たまに研究報告やゼミの準備を家でやります)

24:30 就寝

 

研究室生活の一週間のイベント

休日にバイトをしている人が多いかもしれませんが、心身の健康を考えて

週に1日はゆっくりと休める日にしましょう。

※基本的に月~金は実験や論文調査を行っています。

月:研究進捗報告会(隔週)と論文紹介(前期で1~2つ紹介)

火:輪読(隔週)

水:特になし

木:特になし

金:(隔週で研究進捗報告会の資料作り)

土:休み(ごく稀にサンプル確認のために午前登校)

日:休み

 

更新履歴

2021/11/11 卒業旅行についての文章を追加